これまでに下記について監修を行っています。
本誌の栄養・食育、ストレスに関する監修を行いました。
アンジェスMG株式会社
アンジェスMG株式会社Webサイト内での「ASOに対するHGF遺伝子治療の治験内容と被験者募集」のあり方に関して、監修を行いました。
わが国では急速な高齢化社会の出現や、食生活を含めた生活様式の欧米化により疾病構造が変化しています。動脈硬化の危険因子である糖尿病や高脂血症、高血圧などの生活習慣病が急増し、欧米社会でみられているのと同様に心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や脳梗塞などの動脈硬化性血管疾患が増加し、それとともに下肢への動脈が閉塞して虚血をきたす閉塞性動脈硬化症( ASO : arteriosclerosis obliterans )が、慢性下肢動脈閉塞症のほとんどを占めるようになってきました。
重症虚血肢治療の現状ASO でみられる下肢虚血症状の多くは間歇性跛行ですが、 15~20% は安静時にも疼痛があったり潰瘍・壊死がみられ、血流が改善する何らかの治療を行わなければ、肢切断に至る重症虚血肢と呼ばれる病態になっています。重症虚血肢の患者さんでは痛みが強いため夜も眠れず、様々な併存疾患に加えてストレスから様々な病気を併発し、生命予後も不良となっています。 このような場合には、バルーン付きのカテーテルを用いて動脈内腔を拡張する血管内治療や人工血管や自分の静脈を用いてバイパスを行うなどの外科的な血行再建が行われますが、動脈が広範に閉塞している場合には、直接的な血流改善が行えない場合も少なくありません。血流が改善する種々の薬物療法が試みられますが、確実に有用と考えられる薬物は少なく、新しい治療法の開発が望まれています。
遺伝子治療や骨髄細胞治療などは新しい治療法として脚光を浴びており、その有用性について検証が行われています。虚血肢に対する治療が有用であることが証明されれば、虚血性心疾患や脳血管障害などにも応用が期待され、全身的な動脈硬化症の一部分症である ASO 治療に画期的な変化をもたらすものとなります。
閉塞性動脈硬化症( ASO : arteriosclerosis obliterans )は、従来わが国では比較的まれな疾患と思われていましたが、ライフスタイルの欧米化により、近年増加傾向にあります。疫学調査によると 60 歳以上ではおよそ 20% に認められることが示されています。 ASO の治療としては、日常のフットケアによる潰瘍や壊疽の予防、併発している動脈硬化症を促進する病気(高血圧、糖尿病、高脂血症)の治療、禁煙の励行、血管拡張薬の投与などが挙げられます。しかし、これらの治療にもかかわらず下肢の冷感、しびれ感、痛み、さらには潰瘍や壊疽をきたしてしまうこともあり、治療に難渋することがあります。
近年の生命科学の進歩による先端医療は、従来の治療法では改善させることのできなかった疾患にも新しい治療法を提供することを可能にしました。 AMG 0001 による ASO の遺伝子治療は代表的な一例と言えます。遺伝子治療というと、最先端医療であるがゆえに、未知の事象に伴う怖さが感じられても不思議ではありません。遺伝子治療に関する臨床試験では科学性および倫理性について慎重な検討が求められます。 遺伝子治療という最先端医療ではその安全性を 100%保証することはできません。しかし、 以前米国で生じた事故 で は 全く別の疾患において、 かつ アデノウィルス を使って遺伝子を患者の体内に運んだのに対して、 本治験ではウィルスは使わずにプラスミド DNA というより安全性の高い方法をとっています。
大学等の研究機関で開発された研究を社会に還元することは新しい優れた医療を提供するために重要です。 AMG 0001 を開発したアンジェス MG 社は、いわゆる大学発ベンチャーの代表例と言えます。大学発のベンチャー企業は今後の先端医療の発展普及には欠かせないものです。反面、研究者が企業を立ち上げるために、臨床試験の実施に際しても利益相反が存在することは否定できません。 AMG0001 の治験を行うアンジェス MG 社についても一時マスコミにこの点が取り沙汰されました。しかし、この治験は各医療機関の研究審査委員会で承認を得ていますので、この件に関しては社会の理解は得られたと解釈できます。 全く新しい治療薬である AMG 0001 が ASO の患者さんの福音になることを願って止みません。
http://www.jmicc.com/
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