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健康教育研修会


2017年度留学生メンタルヘルス支援シンポジウム開催報告

「留学生の心身の健康~睡眠を考える~」

留学生メンタルヘルス支援事業では、留学生にかかわるすべての人を対象にしたシンポジウムを開催しております。第3回となる2017年度は7月22日(土)に早稲田大学国際会議場にて開催、学校教職員、学生など82名にご参加いただきました

本年度のテーマは「留学生の心身の健康~睡眠を考える~」とし、「睡眠」を切り口に提示いただいた知見や学生への声かけの仕方などは、留学生の皆様、また日常的に留学生支援に取り組む皆様にご活用いただける有意義なものとなりました。

西多昌規先生による「快眠のための基礎知識」の講演では、良い眠りのための工夫として、「基礎知識を知ることはメンタルヘルスを考える上で外せない」、「自分の特性(朝型、夜型)を生かして勉強のタイミングなどを考える」、「一時的な睡眠不足はよいが、睡眠不足が蓄積しないようにする」、「日中の眠気が睡眠不足の目安となる」、「うつの人は不眠症状の訴えもあるが、抑うつ気分や意欲の低下など不眠以外の症状が見られることが多い」といったポイントが挙げられました。

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アンケートより▶▶▶
  • 基本的なことがわかり、留学生に向けてアドバイスの参考になった。
  • 具体例もあり、内容がとても分かりやすかったです。「情報を与えるだけで助かる」というところ、納得です。
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つづく松田英子先生による「留学生における睡眠問題」の講演では、まず先生のご研究成果より①「留学生の睡眠問題の特徴」に「服薬抵抗感」があること、抑うつ軽症者へはストレスコーピングスキルを高める支援が有効であり、抑うつ重症者は睡眠の改善が必要であること、②「睡眠の質からみた注意すべき人格特性」として「レジリエンスの低さ」、「神経症傾向が高い」、「調和性の低さ」があること、③留学生の相談において「抑うつの予防には不眠に、自殺の予防には悪夢に注目」すること、④服薬に抵抗感のある学生への認知行動療法には不眠を維持する「行動」、「認知」、「身体」的特徴への介入が有効であることをお示しいただきました。

アンケートより▶▶▶
  • 他の研究者の方が、危険な状態かそうでないかを見極めるカギは「睡眠がとれているかどうか」であると言っていたのを思い出し、非常に興味深かった。
  • 悪夢で覚醒してしまう留学生からの相談をうけていました。話をするだけでもいくらか気分がよくなる様子でしたが、記録をつけさせるというのはすぐに出来る療法だと思いました。ありがとうございました。

パネルディスカッションは、村上正人先生の司会により参加者からの質問に西多先生、松田先生がお答えくださる形で行われました。留学生のメンタルヘルス支援にお役立ていただきたい回答を抜粋いたします。

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職員として睡眠の観点からの留学生への対応

「平日と休日の睡眠時間を聞くこと」、「眠れている?どんな夢を見ている?」のような声かけが提案されました。このような声かけは「聴きやすく、話しやすい」質問であり、睡眠に問題がなければ何とかやっていけている状態であると判断できること、「あなたのことを気にしている」とのサインともなるとのことでした。

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学内にメンタルヘルスの専門家がいない組織

教職員が問題を抱える学生への対応として、「医療情報の提供」や「アテネ不眠尺度*の活用」、また「睡眠時間を聞くのは、管理したいのではなく、共有してよい方向にもって行くことが目的である」と伝えることを、医療機関にかかりたくない学生に対しては、「何もなければ安心であると伝え、本人の困り感がないかを確認すること」、また「睡眠時間を確保することが、学業の達成を含む異文化適応における良い結果につながることを伝える」ことをご提案いただきました。
*:アテネ不眠尺度は8項目からなる質問紙であり、医療機関受診の目安は6点以上の場合となります。

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