
がん化学療法による悪心・嘔吐(Chemotherapy Induced Nausea and Vomiting;以下、CINV)は、抗悪性腫瘍薬の投与により発現する非血液学的毒性で、患者のQOLを損なう大きな原因のひとつです。海外ではASCOやNCCNなどが策定した国際的な制吐療法ガイドラインが既に存在しており、国内においても制吐療法のガイドラインの作成が望まれておりました。このような背景のもと、2010年5月に国内初の制吐薬適正使用ガイドラインが作成され、我が国においても世界水準の制吐療法の実現に向けた環境が整ったと思われます。
海外では、現在でも患者が遅発性(抗悪性腫瘍薬投与後24時間以降に発症する)のCINVに対して苦痛を訴えているとの報告や、医療従事者の予想以上に患者の悪心・嘔吐の発生頻度は高かったとの報告もあります。しかし、国内においてはCINVの実態調査に関するまとまった報告はこれまでありませんでした。がん薬物療法を実施していく上で、国内におけるCINVの実態を把握し適切な抑制手段を探ることは、非常に重要であると考えられます。
そこで、CINVに関する調査研究、臨床研究を通してCINVに対する治療の進歩と普及をはかり、医療の向上に寄与することを目的とした『がん治療とCINV研究会』を昨年10月に立ち上げました。今回、本研究会では高度及び中等度催吐性抗悪性腫瘍薬投与に起因する急性及び遅発性の消化器症状(悪心・嘔吐、食欲不振)の発現状況及び制吐療法の実際について、肺がん、乳がん、消化器がん、婦人科がん、血液がんの各がん腫領域別に実態調査を行うことになりました。先生方におかれましてはご多忙中とは存じますが、今回の趣旨をお汲み取り頂き、CINV観察研究に、是非ともご参画賜りますようお願い申し上げます。
がん治療とCINV研究会Chair
国際医療福祉大学 学長 北島 政樹
Survey on CINV 組織委員会Chair
福岡大学医学部腫瘍・血液・感染症内科学 教授 田村 和夫
高度催吐性及び中等度催吐性抗悪性腫瘍薬投与に起因する急性及び遅発性の消化器症状(悪心・嘔吐、食欲不振)の発現状況、及び制吐療法の実態を調査する。また同時に、医療者側のCINVに対する予測の精度についても調査を行う。
以下の基準を満たす癌化学療法施行予定の患者(入院、外来を問わない)
(1)催吐性が中等度以上の抗悪性腫瘍薬を含む癌化学療法を初めて施行する患者
(2)症状日記を正確に記載できる患者
(3)文書による同意を取得した患者
注)本研究は化学療法による消化器症状の観察研究のため、放射線療法の同時併用症例よりも化学療法単独の症例を優先してご登録下さい。
抗悪性腫瘍薬投与開始日より7日間、患者自身が消化器症状(悪心・嘔吐、食事量)をオリジナル症状日記に記入する。また、医師は化学療法開始前に、消化器症状の有無・程度を予測して登録用紙に記入する。また、担当医師は患者背景、レジメン、制吐治療、救済治療の内容を調査用紙に記入する。最終的に患者日誌、登録用紙、調査用紙を回収後、消化器症状の頻度及び医療側との予測との違いについて解析する。
(1)患者背景、レジメン、制吐治療
(2)抗がん剤投与開始日~7日間の消化器症状(悪心・嘔吐、食事量)
(3)医療側における施行レジメンでの消化器症状の予測

催吐性が中等度以上の抗悪性腫瘍薬投与開始日から7日間
2000例(肺癌、乳癌、消化器癌、婦人科癌、血液癌)
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※「患者登録用紙」「症例報告書」「患者日記」は閲覧のみ可。実書式が必要な場合は、下記お問い合わせ先までご請求下さい。
下記お問い合わせ先までご連絡ください。
窓口:「癌化学療法時の悪心嘔吐観察研究」事務局
(受付時間 平日 9:00~17:00)