ストレス科学ストレス科学研究所

ストレスのセルフケア

6.呼吸法 
~リラクセーション~

心と体はひとつのもの、怖いTVを見ているとハラハラドキドキして手に汗握り体も緊張して固くなってしまいます。
逆に体が緊張していると心も硬くなっているのがわかります。ストレスによる緊張は体も硬くします。
リラックスして心身の緊張を解くことがストレスの緩衝作用になります。

座禅や瞑想-気功もリラックスの方法のひとつですが熟練が必要です。
次の呼吸法は手軽に修得できる有効な方法です。

姿勢は仰向けに寝るか、安楽椅子、あるいは背もたれの無い椅子で行います。

まずゆっくり腹式呼吸をします。

  1. 口と目を軽く閉じて、ゆっくり鼻から息を吸います。息を吸うときは肺を全部使って行うので横隔膜が下がりお腹が膨らみます。慣れないうちはお腹を膨らますようにして息を吸うのが良いでしょう。
  2. 息を吐くときは吸った時より時間をかけてお腹がぺちゃんこになるまで吸った息を全部吐き切ります。
  3. 息を吸うときは腹筋や胸筋に少し力が入ります。息を吐きながらスーッと体の力を抜きましょう。
  4. 呼吸は自分のペースでゆっくり行います。
  5. 5回~10回位腹式で呼吸をすると身体の力がぬけて気持ちが落ち着いてきます。そうなったら呼吸を自然な呼吸にもどします。
  6. 呼吸を整えながら、心の中で呪文を唱えるように「気持ちが落ち着いている」と繰り返します。
  7. 身体の力が抜けて気持ちが落ち着いてきたら覚醒の動作を行います。閉眼のまま握りこぶしを作り握ったり開いたりし次に腕の屈伸運動を行い、さらに全身に力を入れる動作を繰り返します。これによって意識的に緩めた筋肉の力を日常生活に必要な筋肉の力に取り戻しておきます。(消去動作)

※自律訓練法
リラクセーションの技法はさまざまありますが、上記の呼吸法は自律訓練法の一部を利用しています。
自律訓練法は、シュルツ(J.H.Schultz)によって1930年代に創始された心身調整法で、催眠を基にした自己暗示的方法であるが脳の機能を調整するセルフコントロール技法です。
緊張状態から弛緩状態へ段階的に心身のリラックスを図る方法です。その背景となるのが上記の呼吸法です。

監修:中村延江(桜美林大学名誉教授)

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